2016年7月4日月曜日

コーヒー/狂乱のオピニオン編その2

コーヒー/狂乱のオピニオン編その2


~缶コーヒーの微糖問題に苦言を呈す!~





 サラリーマンの心のオアシスの一つがコーヒーである。私は完全に中毒と言っても過言ではないくらいのコーヒー好きである。一日4、5杯は確実に飲んでいる。
アメリカの研究によれば、コーヒーには抗酸化効果があり、肝臓にも良く、糖尿病のリスクを下げ、欝になるのを防止するらしい。まさに究極の健康飲料なのだ。
しかし、そんなことを考えてコーヒーを飲んでいる人はあまりいないのではないかと思う。



まずサラリーマンは慢性的に眠い。そしていくら眠くてもオフィスで寝てはいけないのだ。なので眠気覚ましにコーヒーというパターンが多い。また、忙しい中でほっと一息つきたい時などにはコーヒーは最適である。緑茶や紅茶やウーロン茶でも良いが、やっぱりコーヒーが落ち着く。



会社に自分でコーヒーを淹れる設備があれば良いが、だいたいは缶コーヒーとなるケースが多い。しかしこの缶コーヒーには様々な種類があるため、会社の自動販売機がたくさん並んでいる休憩スペースではどうしても迷ってしまうものである。近年様々な商品がネーミングで売れている。缶コーヒーもものすごい種類があり、そのネーミングも凄まじいのだ。 



サラリーマンは「微糖」に弱い。ブラックだとちょっと寂しいが、やっぱりカロリーが気になるとか、甘すぎるのは苦手とかで、少しだけ糖分が入っているものに人気がある。
「低糖」という商品もあるのだが、低糖より微糖の方が「ほんのちょびっとだけだよ、こっちの方が糖分が少ないよ」とアピールしている感じで、どうしてもそっちに手が伸びる。
 微糖だけならまだ問題ないのだが、ここで「挽きたて微糖」というのが登場する。人は挽きたて、絞りたて、取れたてなどに弱い。 
 おー、挽きたてなら新鮮だからそっちが良いよな、と思う。 



ところが「厳選微糖」が出て来る。挽きたても良いが、厳選というのは選びに選んで選び抜いたということである。挽きたては新鮮かもしれないが選び抜いていない可能性もあるのだ。

すると今度は「世界一のバリスタが選んだ豆微糖」が参入する。
何せ世界一のバリスタである。さっきの厳選は確かに厳選かもしれないが、そのへんの人が適当に厳選した可能性も否めないのである。それならやっぱ世界一のバリスタだよな、と確信する。



ところがここに現れるのが「直火珈琲微糖」である。
おー、直火かぁ、とちょっと驚く。人は直火にも弱い。
「うちは直火で直接焼いてっからね、他とは違うよ!」と言われれば、そうに違いない、やっぱり直火に優るものはないと納得するのだ。




ところがである。満を持して登場するのは「荒挽き炭焼き微糖」なのだ。荒挽きだけでもそそられる。私はウインナーは必ず荒挽きである。荒挽きは男らしくカッコイイ。
「旦那、男はやっぱ荒挽きでしょ?」とか鉢巻をしたおじさんに言われれば、うんうんうんと頷くしかない。しかもそれに加えて炭焼きである。ガスでも電気でもなく炭で焼いているのである。魚も肉も野菜でさえ炭で焼いたら美味しい。これは一も二もなく荒挽きの炭焼きをチョイスすべきであろう。



ところが「備長炭焼珈琲」が乱入する。
「旦那、炭なら何でも良いって言うのかい?炭はやっぱ備長炭っしょ」と耳元で囁かれれば、御意!と言わざるを得ないのだ。 



この辺でそろそろ「備長炭焼珈琲」を購入しようと小銭を探すのだが、「美山銘水微糖珈琲」が目に留まる。
水?!と、ハッとする。今まで豆ばかりに気を取られていたが、よく考えればほとんどは水なのである。いくら豆が良くても水が悪ければ何もならない。
銘水と聞けば心が躍る。山々の深い緑が目に浮かび、透き通った混じりけなしのピュアな水が沸き出でてくるイメージが心を打つ。
迷う。どうすれば良いのか・・・。
備長炭も捨て難いがやはりここは銘水か。よし!ここは銘水を買おう!と心に決め小銭を投入口に入れようとして、あ!と思わず声が出てしまう。
「至福の微糖」があったのである。
挽きたてでもなく、厳選でもなく、世界一のバリスタも選んでおらず、直火でもなければ炭焼きでもない。かと言って銘水でもないのだ。だが「至福」なのである。
至福かぁ、と思わず腕組みをしてしまう。誰しも至福の時を過ごしたい。それは憧れですらあるのだ。せっかく迷いに迷った挙句「銘水」でほぼ100%決定した時にこの「至福」が現れたのである。



うー、どうしたらいいんだ。心は千々に乱れ頭を抱える・・・。 



そこでもう一度自動販売機を見直してみる。



「金の微糖」「キレの微糖」「コクの微糖」「コク深微糖」「飲みごたえ微糖」「贅沢微糖」「微糖香ばしビター」「香味焙煎微糖」「きれいな微糖」「劇的微糖」・・・・・。



決められない・・・。



私は仕方なくコーラを買って、肩を落としとぼとぼ帰ったのであった。




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