2016年7月26日火曜日

評判/怒涛のビジネススキル編その3



評判
~イメージ戦略が評判を作る!~



「評判」というのは誠に漠然としたものである。真実の伝聞のようでもあり、単なる噂話の延長のようでもある。


昔先輩のYさんに言われたことがある。
 「良い評判が立つと、10回続けて失敗しても11回目に上手く行くと、やっぱりあいつは優秀だと言われるが、悪い評判が立つと10回続けて成功しても11回目に失敗するとやっぱりあいつはダメだと言われる。評判というのはとても大切なんだ」
なるほどなぁ、と思ったものの、Yさんは良い評判の立て方までは教えてくれなかった。それでもその言葉はその後ずっと心に残っていた。


  私はそもそも極度の人見知りである。いつもくよくよ考えこむ小心者でもあり、営業職には本当に向いていない性格だと思う。それがあまり考えもせずに損害保険会社に入社し営業職となってしまった。
若い頃は営業的ではない自分に強いコンプレックスを抱き、どんどん人と溶け込んで行ける先輩に嫉妬したものである。しかし、なんだかんだと苦労を続けているうちにだんだん分かって来たことがある。それは、この仕事を続けて行くなら、自分の本来の性格を見抜かれると損をする、ということだった。

そこで私はポーカーフェイスを貫くことにした。どんなにひどいトラブルがあっても、どんなに上司に怒鳴られようとも決してオタオタせずに顔色を変えないのである。心の中では泣きたくなっていても、心臓がドキドキしていても、顔や態度だけは平然としているようにしたのだ。これは意識さえすれば比較的簡単にできるようになる。顔に出さないと決めてさえしまえば、何とかなるものなのだ。そんなことをしばらく続けているうちに、「あいつは図太いヤツだ」と言われるようになって来た。


上司に初めて、「福田君はホントに図太いねぇ」と笑いながら言われた時には、心の中ではとても驚いていた。何故そんなことを言われるのか、と不思議な気持ちでいっぱいだった。そして信じられないことに、この「図太い男福田」というのは評判になって行ったのである。


営業マンの世界に於いては図太い、強い、根性がある、などは明確に褒め言葉である。線が細い、弱い、あっさりしている、などの言葉は低評価と言える。なので、私は自分の弱さを隠しているうちにいつしか良い評判を得ていたようなのだ。


その後何人もの人に同じようなことを言われた。つまり性格と正反対の評判が立ち、それが確固たるポジションを確立したのだ。そうなると人間とは不思議なもので、段々そんな気になって来る。内面が評判に近づいて来るのだ。性格はそんなに劇的には変えることは出来ないが、人並み以上の図太さは身に付けることが出来た。言ってみれば、イメージ戦略で評判を作り、評判に製品が追いついた、ということであろうか。


また、様々な上司、同僚と仕事をしていると分かるのは、世の中にはそんなに、図太い、豪快な、豪放磊落な人などいないということである。豪快に見える人ほど繊細で気が弱かったりするものだ。声が大きくわーわー騒ぐおっさんほど小心者で、人の評価を気にしたりする。弱い犬ほどよく吠える、ということか。逆に普段は物静かな感じの人の方が、肝が据わっている。


結局は仕事は、逃げたり、人のせいにしたりしたら負けなのだ。逃げても逃げ切れるものではないし、人のせいにしても自分に倍になって返って来ることが多い。それなのに、豪快、と言われる人に限って、そんな行動に出ることがある。


図太い男福田は、その後もそのポーカーフェイスを貫いた。どうなったか、というと、ややこしい案件や難しい事件が寄って来るようになった。
 トラブルシューターなどという嬉しいような嬉しくないような仇名を付けられ、「京都10時間軟禁事件」「新潟超ハードネゴ事件」など様々なややこしい案件に巻き込まれ、嵐の海に浮かぶ木の葉のように翻弄されたのである。出来る人には仕事が集まる、と言うが、図太い人には難事件が集まるのだろう。本当に泣きたくなったが、顔には出さず一生懸命必死に頑張って何とかギリギリで解決した。


 なかなか本来の性格と違う個性を演じるのは大変でありストレスも溜まる。しかしそれがトレーニングとなり、本来の自分の性格とは違う仕事上の個性が形成されて行くのかもしれない。


 仕方ないのだ。サラリーマンには求められる姿があるのだから。





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