2016年7月27日水曜日

報告/怒涛のビジネススキル編その4




報告
~報告力こそサラリーマンの武器だ!~


 サラリーマンの重要な仕事の一つは「報告」である。報告力という言葉はないが、報告力は歴然として存在する。実は報告力が高い社員ほど高く評価されるものなのである。


 昔尊敬する先輩である私の師匠Yさんに言われたのは、「バレる嘘は絶対つくな。バレない嘘ならいくらついてもいい」ということであった。当時はまだ若かったのでよく理解できなかったが、職位が上がるにつれなるほどと思うようなことが度々あった。

 嘘の報告をした場合、もしその嘘が露見すると壊滅的なダメージを被ることになるという事例を何度か垣間見た。通常、報告は上司を中心に目上の人にするものだ。上司に嘘をつきそれがバレれば「嘘つき」というレッテルが貼られ、それは悪評となってしまいなかなか挽回できるものではない。一発退場のような感じである。だから絶対に嘘をついてはいけないのだ。


しかし報告力の高い人は、嘘はつかないまでも「誇張」や「拡大解釈」や「微妙な言い回し」などを駆使して見事に手柄は10倍、ミスは10分の1に報告するのである。


  私が密かに報告の鬼と呼んでいたHさんであるが、この人は凄かった。
 ある時隣席のHさんが電話を取った。珍しく飛び込みの電話照会であった。新規に創設した企業がリスク全般の説明に来て欲しいという、まずあり得ないようなラッキーな話であった。裏があるといけないので勿論慎重に対応はするのだが、このケースは何も問題のない先であったので、代理店の方と同行したHさんが見事に大型契約を獲得したのだった。
さて、するとHさんはすぐさま私と代理店のAさんを飲みに誘った。そしてたらふく御馳走してくれた後私とAさんに、今日の契約は自分が飛び込みで取ったことにしてくれ、と言ったのである。


えええぇ?!と思った。真逆である。この件はたまたまかかってきた電話をHさんがたまたま取って、しかもたまたまホントに良いお客様だったので契約になったという、「3たまたま契約」なのである。それを逆に自分が飛び込みできっかけを作り、Aさんと一緒に通いつめ、苦労に苦労を重ねようやく成約したというストーリー仕立てにするというのである。
しかしそこまでやってしまうとバレたら面倒ではないのか。その疑問をぶつけてみるとHさんはにっこり笑い、「大型契約だけど、奥行きから言っても課長が挨拶に行く規模にはならない。君とAさんさえ黙っててくれれば絶対にバレることはないよ」と言うのである。ご馳走になった手前もあるし、そもそも私もAさんも、Hさんとは仲が良かった為、Hさんを陥れるようなことをするはずもないので快く了承した。


Hさんは3たまたまを隠し、飛び込みをきっかけに艱難辛苦を乗り越え必死の思いで契約を獲得したという、聞くも涙語るも涙のサクセスストーリーをでっち上げ課長に報告した。報告は課長から部長へ上がり、更に担当役員にまで伝わり、Hさんは単にこの件で評価を上げただけでなく、「Hは優秀」という評判を広めるのことにも見事に成功したのである。


何というひどい人だろうと思われるだろうか。確かにひどいが、この嘘は誰も傷つけてはいない。ギリギリセーフではないのか。
確かに正直に報告すればたまたまラッキーだっただけ、という印象を持たれ全くと言っていいほど評価にはつながらなかったと思う。しかしほとんどの人は正直に報告するものである。報告の鬼Hさんはこの案件とその後の評価の全体像を俯瞰できたのだと思う。そして俯瞰図に基づき周到に組立てを行ったのだろう。その点については凄みさえ感じる。


結局、評価というものには取組みプロセスが大いに関連する。現代の人事評価制度では、成果評価とプロセス評価を両建てとしている会社も多い。同じ成果を創出したとしても、何の苦労もしなかった人と必死の努力を重ねた人では評価には大きな差が付くものなのだ。


Hさんの名誉の為に申し上げるが、Hさんは大変優秀な人であり、一つ一つの仕事もしっかりこなす。そのベースがあるからこそこのような離れ業が出来たのだと思う。


私はここまでの激しいストーリーメイクはしたことはないが、YさんやHさんの背中を見て来て大変勉強になった。
ここには恐ろしくてとても書けないが数々の窮地を乗り越えて来ることが出来たのも、こういった諸先輩のご指導の賜物である。


この場をお借りして深く感謝申し上げます。







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