2016年8月10日水曜日

お詫び/怒涛のビジネススキル編その11



お詫び
~お詫びの極意はこれだ!~ 


営業職を長い間しているとお詫びをする事も多かった。軽く済んでしまうものから、死にそうに大変なものまで、数えきれないほどたくさん詫びた。
お詫びの原因は主として事務ミス等から派生するものであり、自分のミスもあれば部下のミス、他部門のミス、システムトラブルなど原因も千差万別である。

詫びるのはつらいものだ。人間は褒められたり、感謝されたりするのは好きだが、怒られたり貶されたりするのはイヤなものである。しかし、仕事だから仕方ない。
「私が悪いんではなく、システムの担当のヤツが悪いんです。私もある意味被害者なんです。実は私も相当頭に来てるんですよ」等といった言い訳が通用するはずもなく、すべて会社を代表して自分でお詫びする他ないのである。


お詫びの基本はともかく相手の話をとことん聞くことである。こちらの主張はひとまず置いて、相手に言いたい事をすべて言っていただくところから始めなくてはならない。時間はかかってもひたすら我慢してとことんお聞きする。そして謝罪の言葉をはっきりと伝え、言い訳をしないことが肝心だ。
未だ相手方が主張を言い終えないうちに言い訳がましいことを言うのは、火に油を注ぐリスクがあり最も注意すべきことである。一旦すべて吐き出していただき、相手の方が落ち着いてから事情を丁寧に説明する方が絶対に上手く行く。

一方トラブル慣れしている相手の場合は「上司を出せ」と言って来るケースが結構多い。サラリーマンにはこれはつらい。一番言われたくないセリフである。
サラリーマンは上司を出したら負けである。どんなトラブルでも如何に自分のところで食い止めるかが評価の一つの重要なポイントとなる。なので、どんなトラブルでも極力上司を出さないように必死に対処するものである。
 課長の頃はトラブルで「責任者を出せ」と言われれば「私が責任者です」と言い、「上司を出せ」と言われれば「この件では私に上司はいません」などと抵抗し、徹底的な持久戦を繰り広げることを常としていた。
 そしてこのように粘り強く対処していると、耐性も出来るしスキルも上がるのだと思う。


お詫びは上手い人と下手な人がはっきり分かれる。いつも営業スマイルの落研出身のO君は、お詫びに行ってもニコニコしていたので、何度か相手を激怒させている。そういう顔しか出来ないのである。怒り狂った相手の前に、何事もなかったかのようにニコニコ笑って登場すれば、相手方が逆上するのは当然だ。しかし常に笑っているO君はそういう顔しか出来ないのだった。
営業スマイルの人は性格的に営業の仕事が合っていない場合が多い。合わないから無理に自分の仕事用の個性を作り、それが固定化されているのだろう。


私は親しいお客様に、半ばジョークで「カメレオン」と言われたことがある。状況に応じ深刻な表情や、明るい表情を瞬時に作るからである。「演技」と言えば言葉が良くないのかもしれないが、シチュエーションや話す内容で自然に表情が変わるのだ。
私はロックバンドのボーカルを長くやっているが、ライブにおいては「ビジュアル半分」とよく言われる。バンドは音楽を表現するのであるが、どんなに音が良くてもアクションや表情などの目で見る部分に納得感がないとお客様は満足してくれない。
お詫びの場面でも同じである。どんなに言葉では上手く話せても、表情や態度で相手方の印象は大きく変わってしまう。また、難しい局面ではスクリプト(台本)が必要だ。事前にスクリプトを作り、相手方の主張も想定した上で練習しておくだけで大きく結果は変わって来る。
このスクリプトや練習なしでぶっつけ本番的に進むと、撃沈するだけでなく更に火が大きく燃え上がることもあるので注意が必要である。

 トラブルは、話し合いで短期間に解決するケースもあれば、長い間解決できないケースもある。今考えても何故治まったのか分からないような大きく深刻なトラブルもあった。
 しかし、40年間の私のお詫び人生(ちょっと大げさか^^;)を振り返り思うのは、「解決しない問題などは存在しない」ということである。
 確かに難しい案件は多い。これって絶対解決しないよな、と思うようなケースも確かにある。しかしそれでも必ず終わりを迎えるのである。中には「解決しない」という結論となって保留のまま固定されることだってあるのだ。それも一つの解決だろう。
 だからともかく、本編に記載して来た基本に忠実に対応することだけ考えれば大丈夫だと、自らが信じ込むことが大切なのだと思う。
 
昔、若い頃に課長に別室に呼ばれた。課長は怒っているようであった。その時課長に隠していることがいくつかあり、そのどれかが課長にバレたことを確信した。


もうダメだ、と思い、部屋に入るなり課長に、「申し訳ありませんでした!」と深々と頭を下げた。ところが違ったのである。課長が「え?!」と怪訝そうな顔をした時、しまった!と血の気が引いた。
「何謝ってんだ!何か隠してるな!」と激しく追及され、その後すべてを白状させられ無茶苦茶に怒られた。若気の至りとは言えしくじった。先回りして謝るのは危険なのだ。

しかし人間は失敗から学ぶ。その後はそのようなミスは一度たりとも犯してしない。私はその時、後年の「謝罪の鬼」に至る一歩を踏み出したのかも知れない。



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