2016年9月21日水曜日

エレベーター/動乱のエピソード編その14


エレベーター
~エレベーターにもドラマがあった!~

サラリーマンはだいたい毎日エレベーターに乗るものである。エレベーターはただの昇降機ではない。サラリーマンが乗るエレベーターにはドラマがあるのだ。

私がエレベーターで痛い目に遭ったのはまだ20代後半くらいの時である。重要得意先にお伺いし、用件を済ませ1階でエレベーターを降りたらそこに先方の社長がいた。地元の名士であり当時は雲の上の存在で、私ごときが口を利ける方ではなかったのでものすごく緊張した。
慌てて「社長、お疲れ様です。〇〇(会社名)の福田でございます!」と元気良く挨拶した。社長は人格者で気さくな方だったので、「おー、福田さん、いつもありがとう」と微笑んでくださった。
私は感激した。初めて名前を呼んでいただいたのである。とても嬉しくなりエレベーターに乗り込む社長を見送るべくエレベーターに近づき、「有難うございます!」と深々と頭を下げた。しかし残念なことにどうやら近づき過ぎてしまっていたようなのだ。 
私が頭を下げたところに、両側からガゴン!と凄い衝撃が走った。一瞬何が起きたのかわからなかった。私が緊張と感激と感謝の余り精一杯歩を進め頭を下げたところ、頭がエレベーターの中に入ってしまい両側から閉じるエレベーターに頭が挟まったのだ。思わず、イテテテテテ!と声が出てしまった。その余りにもばかばかしい私の姿に人格者の社長も、わっはっはっは、と大笑いされた。エレベーターのドアが閉まり、上階へと上がって行く。社長のわっはっはっは・・・という笑い声が徐々にフェードアウトして行った。今でもその時のフェードアウトするわっはっはっはが、切ない思い出として鮮明に耳に残っている(-_-)

私の課長時代の部下にK君がいた。K君はものすごく顔が恐かった。並大抵ではないのである。生え際には剃り込みが入っており、眉はほとんどない。しかも空手の有段者であり身長も180cmを優に超え筋骨隆々である。仕事で担当している銀行に挨拶に行ったら防犯ベルを押されそうになったとか、問題のある人が来社したため止む無く警察を呼んだら見た目で判断され自分が捕まってしまった、とか信じられない武勇伝は数多い。そのK君と外出しようとエレベーターに乗ったところ、当時役員だった方が先に乗っていた。
その人も顔が恐かった。二人ともどう見ても常人ではないのだ。二枚目同士ならそうはならないのかも知れないが、恐い顔同士はライバル心が強いのか、K君がいきなりガンを飛ばした。上から斜めに睨むのである。役員も黙ってはいない。何だこの若造が!とばかりに睨み返すのである。予想外の展開に私は言葉を失った。おいおいおいおい止めてくれよ、と泣きたい気持ちのまま早く着いてくれと願うしかなかった。会社のエレベーターの中とはとても思えないような異様な緊張感だったのである。
やがて我々は1階で降り、役員は地下の車寄せに向かった。K君は眉を顰め私に「課長、誰っすかあれ?」と訊いた。「ばかやろう!役員だ!」「え、そうなんですか。しまった。顔が恐いからうちの会社の人と思わなかったっす」お前が言うなよ・・・(=_=)

また、エレベーターと言えば「乗り合わせ」という問題がある。狭い箱に嫌いな人と二人だけで乗り合わせたりするのはイヤなものである。しかし、エレベーターに乗る時に上司を避けるのだけは絶対に禁物である。誰しも難しい上司や偉い人とは顔を合わせたくない。エレベーターホールで見かけると、何としても避けたい!と思ってしまうものである。しかし、気付いていないだろうと柱の陰に隠れたりして1台見送ったりするのは命取りになる危険性がある。難しい人ほど避けられることに敏感であり、根に持ったりするものなのだ。まぁ、エレベーターに限らずであるが、こちらが見かけたらほぼ相手も気付いたと思うべきである。追いかけて乗り込むくらいの根性が求められる。どうせ数十秒のことである。そんなことでマイナスを食らうほどばかばかしいことはない。
サラリーマンは至るところにドラマあり。大事の前の小事なのだ!


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