2016年9月7日水曜日

ランチ問題/動乱のエピソード編その9



ランチ問題
~相席が嫌いな理由を告白する!~


サラリーマンにとってランチは重要な問題の一つであろう。何故なら自ら考え選択する必要に迫られるからである。決められているものが自動的に出て来るような職場であれば、満足できるかどうかは別として問題にはならない。また、社員食堂があるような会社で選択肢が少なければ大問題から小問題へと格下げされるのであろう。

しかし大半のサラリーマンは外食である。特に都市部においては選択肢が多過ぎるのだ。だから迷ってしまい、その迷っている自分にも(あー、俺って決められねぇ男だなぁ)などと自己嫌悪を感じてしまったりするのだ(=_=)

一人で行く場合と複数で行く場合でも異なる。一人の場合には店が限定される。料理ではなく店の作りやコンセプトの問題である。カウンター席や二人掛けの多い店など、お一人様がプレッシャーにならないような店を選ぶ必要があるのだ。相席が気にならない人は良いが、私はあまり得意ではない。知らない人と向かい合わせになって食事するのは、何となく気詰まりなものである。

若い頃の話だが、一人で入った相席の定食屋さんで事件があった。四人掛けで全員一人客だったのだが、私の右隣の作業服のおっさんが一番先に来ていて、そのおっさんの漬物とご飯と味噌汁が到着し焼き魚待ちの状態になっていた。すると私の右前、つまりおっさんの正面に座っていた40代くらいの眼鏡をかけた真面目そうなサラリーマンが、何とそのおっさんの漬物を手で取ってパクリと食べてしまったのである。驚愕した( ゚Д゚)え?と声が出たかもしれない。すると隣のおっさんが怒った!「何すんだぁ!」と怒号を上げたのである(゚Д゚)ノ
サラリーマンはビクっと身体を硬直させた。自分でも何をしたのか気付かなかったのであろう。多分考え事をしていて手が勝手に動いてしまった、というようなことなのではなかったのかと思う。サラリーマンは平身低頭謝るのだが、おっさんの怒りは治まらない。おっさんの気持ちも分かる。漬物はたくわんで3切れしかなかったのだ。おっさんが無類のたくわん好きだったかどうかは知る由もないが、漬物の総量の33.3%を失ったのは事実なのだから怒りは理解できる。 
しかし、所詮たくわん一切れの瑣末な話だ。男の度量を見せ笑って許すこともできる程度のことだ。でもおっさんはぐずぐず嫌味を言い続け、サラリーマンは謝り続けていた。隣で見ている私も気が気ではないし、その二人両方に感情移入してしまい居たたまれなかった。それ以来私の相席嫌いがかなり強化されてしまったのは仕方のないことだと思う(-_-)

それはそれとしてランチはどうしても店選びに迷う。大分類としては、和食、中華、洋食である。麺類、丼もの、定食という分け方もある。毎日同じものは食べたくないが、あまり遠方へ行くのも面倒だし、またいくら美味しくても行列が出来ている店も時間がかかって大変だ。結局そこそこの店でそこそこのものを食べることで落ち着くのである。そこそこランチである(^^;)

ある時ランチを食べていた定食屋さんに後輩のN君が入って来て、隣の席で煮魚定食を注文し食べ始めた。そしてあっと言う間にご飯をおかわりした。驚いた|д゚)食べ始めたばかりである。
おかわりした時点で彼の煮魚はまだ四分の三くらい残っていた。私はちょうど食べ終わって会計して店を出たのだが、午後になってどうしても気になったことがある。N君は一体何杯ご飯をおかわりしたのだろうか、ということだった。
どうでもいい話であり、本当に大きなお世話である。N君がご飯を何杯おかわりしようがそれはN君の自由だし、私がとやかく言うことではない。しかもおかわり自由の店なのだ。それは重々分かっているのだが、訊いてみたい、という欲望がふつふつと湧き上がりどうしても止められなかった(*_*;
あの時点で煮魚が四分の三残っていたのは目に焼きついている。ということは、そのペースで食べ続ければ4杯は確実である。しかし小鉢と漬物は手付かずだったはずだ。ならば5杯という可能性も否めない。とは言ってもN君は40代後半の管理職であり、女房子供もいる立派な社会人である。お相撲さんではあるまいし、さすがに5杯はないのではないか(*_*;
しかしこんなことを訊いたらN君は私を変なヤツと思うだろうか。私とN君の信頼関係にひびが入ることにはならないか。さんざん逡巡した挙句に、私はやっぱりどうしても誘惑に勝てず夕方N君の携帯に電話した。
「あ、福田だけど。変なこと訊いて申し訳ないんだけどさぁ、今日の昼、定食屋で会ったでしょ。ご飯おかわりしてたじゃない。ねぇ、何杯食べたの?」意外な質問に一瞬絶句したN君であったが、笑いながらこう答えた。
「あー、昼飯ですよね。二杯ですけど」
私は、「あ、そう。わかったわかった。じゃぁまたね」と言いながら、心の中で叫んだ。

う、嘘をつくなぁぁぁぁぁ!そんなはずねーだろぉぉぉぉぉ!



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