2016年11月7日月曜日

「年功序列」/咆哮のオピニオン編その11

 <作画:みやかね・にわとり>

~わたしの貯金を返せぇ~!と吠えてみる!~

「まぁ、そう言うなよ。サラリーマンの若いうちはさ、将来に向かって貯金してるようなもんなんだからさ」と居酒屋で日本酒の熱燗を飲みながら先輩のHさんが言った。
 私が酔っ払ってくだを巻き、「何でこんなに僕らが必死に働いてるのに、副部長のKさんは高い給料貰っててあんなに毎日ブラブラしてるんですかね。おかしくないっすか!」と吠えたことに対する答えであった。
「若いうちは給料が安くてたくさん働かされるけど、だんだん収入がそれに見合うようになって来て、副部長くらいになれば追い越すんだよ。そしたら楽で高い給料が貰えるようになるから、結局行って来いって事だ。まぁ飲めよ」
 Hさんは笑って盃に酒を注いでくれた。なるほどなぁ、と思った。
 目に見えない貯金をしてると思えば我慢も出来る。返して貰えるまでは何とか頑張って、いつかきっと副部長になってブラブラ楽をしてやろう、と思い、「分かりました。有難うございます」と言いながら靄が晴れたような気持ちで盃を干したのであった。20代後半の頃の話である。

 その後いろんな場所に転勤したがHさんのこの言葉はずっと心に残っていた。特に苦しい時、逃げ出したくなった時などに思い出し、今は頑張って貯金する時期なんだ、と我慢に我慢を重ね何とか乗り越えて来たのであった。
 ところがである。私が副部長への昇格のタイミングを迎えたちょうどその時、副部長という役職そのものが無くなるという話が聞こえて来たのだ。
 えぇぇぇぇぇー(゚Д゚)と思った。話が違うじゃんと泣きたくなった。
 俺の貯金は一体どうなったんだぁ!と決めた人の胸倉を掴んでグイグイグイと揺さぶってやりたくなった。揺さぶられた人の首がガクガクガクとなるイメージも明確に頭に浮かんだ。
「花の部長にゃなれずとも、いつかはなりたや副部長」この一心で頑張って来たのは私だけではないはずなのである。それが役職そのものが無くなるというのだ。何とヒドイ話であろうか"(-""-)"

 結局その時は役職は無くならなかったのだが、課長が副部長を兼務することになった。課長が両方やるということである。課長の仕事をフルにやって、加えて副部長の仕事もやるのだからたまったもんではない。かくして私が長年夢見ていた役職「専任副部長」は、会社から誰もいなくなったのであった😞

 勿論時代時代に様々な事情があり人事制度改定が行われるのだから、すべては仕方がないことだ。頭では分かっていてもモヤモヤしてしまうのは、私が中途半端な世代だということだろうか。
 終身雇用、年功序列の時代に会社に入り、社員は皆家族、といった時代を経て、今や能力主義が当たり前の時代となった。世界に活路を求めれば、社員も多国籍化するし、グローバルスタンダードの人事制度に変えて行かなくてはならないのは至極当然である。
 それは分かる。当たり前である。しかし心が叫ぶのだ。私の心が切なく、やるせなく、ただただ叫ぶのである。
 私の貯金はどこへ行ったのぉ~!私の貯金返してぇ~!


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