2017年1月30日月曜日

サラリーマンの「スピーチ」は下ネタと丸暗記は絶対厳禁!/錯乱のエピソード編その8

<作画:みやかね にわとり>

~スピーチの丸暗記と下ネタは厳禁だ!~

 会社にいるとスピーチをする機会が多い。会議やパーティー、冠婚葬祭など様々な機会に話さなくてはならない。私も500人~1,000人くらいの会議やパーティーでのスピーチなど、緊張する場面が多々あった。
 原稿を見れる時は良いのだが、パーティーの中締めなどではそうは行かない。何も見ずに話さなくてはならないのだ。
 スピーチでの事故は何度も目撃した。大惨事も何度かあった。

 かつての上司が大きなパーティーの中締めをやった時のことである。話の途中で間が空いた。どうしたのかと注目すると、話していた表情そのままに固まってしまっているのであった。( ゚Д゚)まずい!と思った。頭が真っ白になっているに違いない。
 10秒、20秒と経過し、場内がざわざわして来た。
「がんばれー!」とお客様からやじが飛んで笑い声が起きた。
 それをきっかけに上司はまた話し出し、ほっと胸を撫で下ろした(*´Д`)
 しかし自分の事のようにドキドキした。完全に感情移入していたのである。
 誰しもこのような大舞台でのスピーチは緊張する。練習も相当重ねて来たはずである。それでもこのような事故は起きてしまうのだ。
 原因は丸暗記にあるのだと思う。丸暗記はちょっときっかけの言葉を忘れただけで頭が真っ白になるリスクがあるのだ。特に会場でのちょっとした変化に気を取られたりするとピンチである。気になるものがあると思考が揺れて言葉が出て来なくなるのだ。

 私はロックバンドのボーカルをやっている。ライブでは20曲くらい演ることが多く相当の労力をかけ歌詞を暗記するのだが、ごく稀に飛ばすことがある。きっかけはやはり視覚と聴覚である。お客様が急に意図せぬ動きをしたり、他のメンバーの小さなミスなどに気を取られると、瞬間的に頭が空っぽになったりするのだ。本当に恐ろしい(=_=)
 だから私は目を閉じて歌うことが多い。サングラスをしているのはそのためでもある(^^;)

 ともかく常にこのリスクはつきまとう。会社の大きな行事でやらかしたら、昔なら一発でアウトだったかも知れないくらい大事なことなのである。
 これを防止するのはコツがある。重要なスピーチほどキーワードや箇条書きで覚えることだ。「てにおは」などはどうでも良いのだ。

 結婚式のスピーチでも大惨事があった。
 課長時代の部下が新郎の結婚式があり、役員と部長も出席した。本来役員が主賓の挨拶をするべきなのだろうが、役員が嫌がって部長に押し付けた。その結果、部長が主賓の挨拶、役員が乾杯の音頭、という仕切りとなった。
 ところが、何が原因か分からないのだが司会が間違えて、役員を主賓の挨拶で指名してしまったのである。これには私も驚いた( ゚Д゚)一番驚いたのは指名された本人であろう。
 結婚式のメインの始めの挨拶は酒も入っておらず注目度も高い。盛大な拍手が巻き起こった。えぇ?!と驚いた表情を浮かべた役員であったが、
「乾杯の音頭って聞いてたんだけどなぁ・・・」と恨み言を言いながらも仕方なく立ち上がりマイクに向かった。
 元々話の上手い人だったが、この時ばかりはボロボロであった(=_=)乾杯の音頭をそのまま膨らませればまだ良かったのだろうが、いつも自分が定番としている主賓の挨拶ネタを急遽話し始めた。心の準備や一定の練習がないとやっぱり上手く話せないようで、かなりしどろもどろのまま終了した。
 主賓の挨拶を準備して来た部長の乾杯の音頭も、ちょっと長めでイマイチであった。新郎が後日二人からドツかれたのは言うまでもない。

 結婚式のスピーチもたくさん聞いたが、一番印象に残っているのはある結婚式で出会った新婦の上司のスピーチであった。私は新郎側で出席していたので、まったく知らない方だったが今でも鮮明に記憶に残っている。

 通常スピーチはどうしても固い口調となる。・・・でございます、が中心となり、丁寧な言い回しをするものである。原稿をしっかり作るので、全体的に話もぴったりかっちりしている場合が多い。ところがその人は違った。ごく普通の口調なのだ。○○さんは本当にしっかりしてるんですよぉ。ご結婚を私も心から喜んでましてねぇ。みたいな感じで、語りかけるように普通に話し、心温まるエピソードを披露されておられた。なるほどなぁ、と思った。上手に話そうとする人が多い中、柔らかく普通に話すことでこんなに上手く伝えられるんだなぁ、とちょっと驚きながら感激したのを覚えている。

 スピーチは笑いを取ろうとすることが多い。ちょっと笑わせて後を締める、みたいな感じで最初にネタを仕込んだりする。しかしこれはリスクを伴う。思い切って入れたブラックなジョークに誰も笑わなければ、ぞっとするほど焦るものである(*_*;
 また、どんなスピーチも下ネタは厳禁である。ウケる場合もあるが、スベった時のリスクが大き過ぎる。スベれば人物評価につながってしまうことだってあるのだ。
 結婚式で、新郎の友人が一緒に風俗に行った話でウケを狙ったのを何度か見かけたが、全くのバカである。ウケるどころか静まり返った場内に哀れを誘う冷たい風が吹き抜けただけであった。本当にぞっとした(-_-;)

 結婚式のスピーチというのはともかく褒めてナンボだ。ひたすら褒めればいいのだ。たまに「この機会に新郎に一言苦言を呈しておく」とか言う上司がいるが、頭が狂ってるとしか思えない。結婚式で苦言を呈する意味が分からない。そんなことは職場で言え!
 私なんざぁ嘘までついて褒めたこともあるんだぞ!!
 昔課長の頃部下の女性が結婚しスピーチを頼まれた。この人は悪い人ではなかったのだが、仕事のエピソードとして披露できるような素敵なイイ話はなかなか思い付かなかった。私は悩んだ。困り果てた私は遂に一つの決断を下した。ありもしないエピソードをでっち上げて褒めることにしたのだ。
 詳細はもう覚えていないが、新婦の何かとっても良い行動にお客様がすごく感動し、ご丁寧なお礼状をいただいて会社で話題となった、みたいなことだったかしら。
 これはまったくの嘘だった。私がスピーチを終えて新婦をチラっと見ると、目を丸くして驚いていたのを思い出す(◎_◎;)

 そうだ!どうせスピーチ何て誰も覚えちゃいないのだ。だから変にきわどいジョークでウケなんて狙わなくてもいいのだ。こちらが思っているほど相手は真面目に聞いちゃいないのだから、そんなトコでリスクを取る必要は全くありはしない。
 パーティや会議では危ないジョークは封印し、結婚式ではともかく褒める、それで良いのである\(^o^)


思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書
佐々木 繁範
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 7,185
Amazon.co.jpで詳細を見る

今月のサラリーマンソング「ドリンキングマーチ」はこちら

サラリーマンの王道(4コマ漫画&エッセイ)過去記事リンク集はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿