2017年1月10日火曜日

「おやじギャグ」ウケるにはどうしたらいい?!を徹底解明!/錯乱のエピソード編その2



<作画:みやかね・にわとり>

~ウケるにはどうしたらいい?!を徹底解明!~

「おやじギャグ」というのは蔑称と言っていいだろう。バカにされているのだ。(あんたはおやじだから、どうせその程度のことしか言えない)てな感じである。

 これはどういうことなのか。何故我々おやじは、場を盛り上げようとせっかくギャグを飛ばしても、年下の連中にこのようにバカにされなくてはならないのだろうか(-"-)

 ギャグを言うのはおやじだけではない。若者もおばさんもJKも言うではないか。しかし、若者ギャグとかおばさんギャグとかJKギャグという言葉は存在せず、おやじだけがやり玉に挙げられているのである。
 憤りを感じる(-"-) 激しい怒りと言ってもいいだろう。
 責任者呼んでこーい!と叫びたいが、こんなんものに責任者がいるはずもない。

 そこで私は本日ここでおやじギャグの真実に関して徹底的に考察し、バカにされ悔しい思いををしている世のおやじ達に救いの手を差し伸べたいと思うに至った。
 しばしお付き合い願いたい。

 しかし記憶を辿ってみると確かに、私の数々のエピソードの中に、おやじギャグにまつわる思い出すだに恐ろしく身の毛もよだつ恐怖の一夜があった。
 それは10年以上前に私が大阪で部長職をやっている時のことであった。
 上司のHさんと一緒に重要な取引先の宴席があり心斎橋の割烹に行った。お客様の社長のKさんは気さくで博識で立派な人であった。宴席は穏やかに和気藹々と進み、なかなか良い感じだなぁと思っていた。

   すると突然Kさんが、「高級肉じゃが」的な料理を指さし、「ローリングストーンズ」と言った。
 にくじゃがとミック・ジャガーとの駄洒落である。これは定番ではありながら、唐突感がありウケて場が一気に和んだ。
 すると上司のHさんが、「どれくらい煮るか知ってますか?二万年煮まんねん」と返した。これもウケた。速攻で返したせいでもある。

 するとここでKさんに火が付いた。鯛の刺身を指さし「鯛を飛行機で食って対空時間(鯛食う時間)」と言う。ギャハハと笑うやいなやHさんは、はまちの刺身を箸でつまんで「このはまち高いのかなぁ。ハウマッチ?」

 戦いの火ぶたが切って落とされたのである(-_-)
 もうどっちがどう言ったのかは当然覚えていないが、「大根千切りで大混戦」やら、果ては「お食事券で汚職事件」「壁に耳ありプラウドメアリー」など全然料理に関係ないものまで繰り出しての大乱戦となった。

 4人での宴席だった。上席がHさんとKさんだった。私とKさんの部下だったTさんの二人は口を挟むことすら出来ず、ただただその二人の駄洒落合戦を聞いているのみだったのである。

 最初は笑った。次の段階では立場上必死に笑った。次は何とか踏ん張って愛想笑いをした。ところが延々と続くのだ。何と連続で一時間以上続いたのである(/ω\)

 後半は押し黙った。終盤は多分顔が無表情になったと思う。段々腹が立って来たのである。同僚や後輩ならドツキ倒していたかもしれない。
 この時私はへとへとに疲れ果て、終了後よろけるように家に帰ったのだが、夜中じゅう二人の駄洒落が頭をぐるぐる回り一睡も出来なかった。正に地獄の夜だったのだ・・・。
 翌朝になっても私の怒りに近い感情は覚めなかった。

 しかし一体この私の激しい感情はどこから生まれたのか。上司と上席のお客様が二人で楽しく駄洒落というおやじギャグを飛ばし続けているこの状況に、私が何故こんなにイライラし怒りの感情までを覚えたのであろうか。
 そうだ、これを分析することで、おやじギャグの正体を暴くことが出来るのではあるまいか。

 一番大きな問題点は「ギャグを言うことが分かっている」という点ではないだろうか。普通はこの人はこの後に必ずギャグを言う、というような状況に置かれることはあまりないだろう。意表を突かれるからこそ面白いのだ。突然言われるから面白いのに、あー、またどうせ何か言うぞ、何か言うぞ、と思っていたら、面白さは半減するだろう。

 二点目は「必ず駄洒落を言う」という駄洒落縛り的な、次に言うことが予想しやすい点もマイナスに作用したはずだ。ただ地蔵のように無表情に、立場上仕方なく聞いている私とTさんは、HさんとKさんが次に必ず駄洒落を言うのを知っているのである。

 更に三点目は「予想した通りのことを言う場合もある」ということだ。一時間以上もバカみたいに目につくものを中心に駄洒落を言い続けるのだから、当然レベルは下がる。

 箸を持ち上げ端っこを指し、「箸の端(はしのはし)」などというとんでもなくレベルが低く、小学生でも反吐を履くようなネタもどんどん繰り出すのである。しかも50を過ぎた地位も見識もあり部下もたくさんいるようなおじさんたちが、である(=_=)



 私はこの非常に苦しくも悲惨な経験の中から、おぞましく封印していた記憶を必死に紐解き、一つの大きな結論を出すに至った。

 ギャグやユーモアの本質は「意外性」なのだ。
 言うことが分かっているギャグでは人は笑えないのである。
 特に私の経験した地獄のおやじギャグ合戦では、聞いていると無意識に次に何を言うかが頭に浮かぶ。そしてそれが当たった時の失望感は非常に大きいものだった。
(ち!やっぱり言いやがったか。バカが・・・)てな感じか・・・。

 おやじは一般的に面白いことを言って笑わせようとするのだろう。その「面白いこと言うぞ」という構えだけで、若者は引いてしまうのだ。しかもそれが相手の想像の範疇なら最悪である。
 そうか。おやじがおやじギャグとバカにされるのは、この意外性がないからなのだな。言いそうなことをそのまま言うからシラケてしまうのだ。


 ならば、常に相手の予想を外すことを念頭に置けばいいのだ。
 例えば先ほどのギャグ合戦の冒頭の肉じゃがを指示さして「ローリングストーンズ」と言った場合に、相手は「ミック・ジャガー」と言うだろうと思う。そこで一旦「キース・リチャード!」と言うのだ。相手が(え?!)と思った瞬間に「ジョン・ボーナム」と言う。
、「あ、それはレッドツェッペリンのドラムだった」とボケて・・・。

 あー、ダメだダメだ。慣れないことを考えると混乱するなぁ。どうしていいかよくわからなくなった(/ω\)
 でも、ともかく相手の予想をハズし意表を突くことを優先すべきである、という結論はそれでいいだろう。人生はどこまで行っても修行である。
 おやじのみなさーん、是非この「意表を突く原理」を活用し、お互いにおやじギャグからの脱却を目指しましょうねー!





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