私はかなり頑固なベイスターズファンである。ベイスターズファンと言うより、大洋ホエールズなんだな、これが。
私は横浜の出身でも、大洋時代のホーム、川崎の出身でもない。出身は福島県福島市だ。
何故にベイスターズファン?とよく訊かれるのだが、これには聞くも涙語るも涙の辛く切ない思い出があるのだった(=_=)
多分7歳くらいの時に家に野球盤が来た。エポック社が野球盤をリリースしたのが1958年だそうだ。私は1955年生まれだから、家に来たのはたぶん1962年くらいなんだろう。
私は4人兄弟の三番目で兄、姉、弟がいる。野球盤が来るまではまるで野球になど興味はなかった。
初めてゲームをやる時兄がこう言った。
「俺は巨人でいいや。ヒロ(私)は強い大洋だな。タカ(弟)は金田のいる国鉄(今のヤクルト)だ」
何も分からない弟二人は、うんうんと頷いた。
何も分からない弟二人は、うんうんと頷いた。
しかし、その瞬間に失ったものがその後の人生でとてもつなく大きなものであることに、幼い私が気づくはずもなかった・・・。
それから50年以上の長い長い月日が経った。今も弟がファンであるスワローズは7回優勝している。タイガースとドラゴンズが9回。カープが6回だ。しかしベイスターズは1回である。たった1回だぞ。ちなみにジャイアンツは45回だ!45回"(-""-)"
ベイスターズが優勝したのは1960年と1998年の2回だけだ。私が応援を始めてからは1998年の1回だけ。50年以上も応援し続けて来てたった1回だけである。しかも、優勝争いをしたのも1962年と1964年の2回だけ。当然その頃の記憶はもうない。
1979年と1997年に2位になっているのだが、いずれも優勝チームがぶっちぎりだった。
つまり、50年以上のファン歴を持つ私キャプテン福田が、プロ野球を終盤戦まで心から楽しめたのは人生で1回だけ、1998年の優勝したシーズンだけだった、ということになるのである。その他の年は優勝争いすらしていないのだ。
悲惨である。思い返すと胸が詰まるような苦しい野球人生だったのだ😞
しかも4月か5月でダントツのビリになりシーズン実質終了、というのもかなり多かったので、あまりにツラ過ぎて、もう心を閉じてあまり興味を感じないような振りをしていたのである。
でもね、ホントはね、心の奥底ではいつもどんな時も応援していたのだよ。朝に新聞でスポーツ欄を見る時は、勝利を祈りながらそーっとそーっと開いてたんだよ。この屈折したファン心理はベイスターズファンしか分かってもらえないだろうな、きっと。
しかし2016年、遂にクライマックスシリーズ初進出である。やったー!!
だが、ちょっと考えてみていただきたい。クライマックスシリーズは導入されて10年目なのだ。初出場ということは、それまでは9年連続4位以下ということだ。クライマックスシリーズは3チーム出れるから出場確率50%である。9年連続出れない確率は2の9乗となるから512分の1である。何というこの際立った弱さであったことか(=_=)
しかしそれだけに、今年のベイスターズファンの喜びもひとしおである。嬉しさ爆発なのだ\(^o^)/だが、ちょっと考えてみていただきたい。クライマックスシリーズは導入されて10年目なのだ。初出場ということは、それまでは9年連続4位以下ということだ。クライマックスシリーズは3チーム出れるから出場確率50%である。9年連続出れない確率は2の9乗となるから512分の1である。何というこの際立った弱さであったことか(=_=)
さて、この快挙の一番大きな要因はラミレス監督の采配ではなかろうか。
ラミレス監督は2000年にヤクルトに入団し来日した。文化や考え方の違いに戸惑う中、一つの言葉に出会い考えが変わったという。
それが「しょうがない」だったそうである。
「日本人は素晴らしい。自分のことよりも先に相手を、そして状況を受け入れる精神がある」
(出典:日刊スポーツ10月11日1面)
この言葉にはちょっと驚いた。普通「しょうがない」というのは諦めの言葉である。上手く行かない時に使う言葉だ。しかし外国人の方から見ればこの「しょうがない」には、日本人の武士道精神の一端や謙譲の美徳や、現状を受け入れながら未来を切り拓く真摯でピュアな心が見て取れるのであろう。
私も仕事をしている中でどれだけこの「しょうがない」を口にしたことか。仕事では上手く行かないことの方が多い。確かにそんな時に「しょうがない」は救いの言葉だった。
自分でもよく使うが相手を許す時にもよく使う。
「しょうがない。わかったよ」
「しょうがない。全力を尽くしたもんな」
「しょうがない。また来月頑張ろう」というようなことだ。
「しょうがない。わかったよ」
「しょうがない。全力を尽くしたもんな」
「しょうがない。また来月頑張ろう」というようなことだ。
また、癒しのことばでもあるだろう。これは関西弁にすると分かりやすい。
「それやったらしゃーないわ」ってやつだ。
「ほんまにしゃーないなぁ」とかね。
「ほんまにしゃーないなぁ」とかね。
許しの言葉であり、癒しの言葉であり、そしてリセットしてスタートする言葉なのである。
「何がしょうがないだぁ!人間死ぬ気になれば出来るんだ!契約取るまで帰って来るなぁ!」などと喚く管理職は最低だ。下の下である。「しょうがない」をキーワードに、日々変わる戦力の中でしっかり選手采配を行ったベイスターズのラミレス監督を見習いなさい!
「許し、癒し、そして前を向かせる」ことが出来るのが、優秀な管理職なのだなぁと感じる2016年秋なのであった。
クライマックスシリーズではセカンドステージで敗退した。しかしそんなことは全然関係ないのである。来期につながる戦いをした今期を、ベイスターズファンは深く心に刻みいつまでも忘れないだろう。
クライマックスシリーズではセカンドステージで敗退した。しかしそんなことは全然関係ないのである。来期につながる戦いをした今期を、ベイスターズファンは深く心に刻みいつまでも忘れないだろう。
コメント