~活字中毒者も唸るまさかの展開力~
私は活字中毒者である。特に電車、飛行機など乗り物に搭乗する時は本が欠かせないし、トイレ、風呂など一定時間フリーになる際は雑誌を持ち込むことも多い。ともかく活字がなければ、ストレスが溜まってしまうタイプの人間なのだ。
一度新幹線での3時間くらいの旅で、駅で本を買おうと思っていたのに忘れて乗ってしまい、活字がないまま悶々として後悔し続けたトラウマがある(=_=)
イライラするし、モヤモヤするし、頭がクラクラして来るのである。その時のストレスはホントに結構重度であり、私は自分が真の活字中毒者であることを、はっきりと自覚することとなったのであった(+o+)
イライラするし、モヤモヤするし、頭がクラクラして来るのである。その時のストレスはホントに結構重度であり、私は自分が真の活字中毒者であることを、はっきりと自覚することとなったのであった(+o+)
さて、そんな私だがメインフィールドは日本のミステリーである。毎年いくつかのミステリーランキングが発表されるが、ここ20年くらいは各ランキングのベスト10に入った作品の80%以上は読んでいる。そういう意味においては、誰も言ってくれないから仕方なく自分で言うが(^^;)私は結構なミステリーの読み手であるのだ。
本書は第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作であり、作者の藤崎翔は鳴り物入りでのデビューである。書店ランキングでも上位で各書店にはドーン!と平積みされているし、更にこの賞の受賞作にはそんなにハズレはないので買ってみた。
清廉潔白な素晴らしい教師坪井誠造が亡くなり、遺族、同僚、教え子などが悲嘆に暮れ誰もが涙した。神様のような坪井だったが、しかし実はとんでもない凶悪な犯罪者ではなかったか、という疑念が一部の参列者に広がって行く。美貌の娘、後輩の教師、教え子、坪井のアパートの店子の芸人、主婦などが真相に迫るやりとりを繰り広げて行くうちに、話は二転三転し予想もつかないエンディングへと雪崩れ込む・・・。
作者は1985年生まれと若い。高校卒業後にお笑い芸人を目指し上京するも6年で挫折し、清掃会社でアルバイトをしながら小説を書き始め、この賞を受賞したそうである。たいしたものなのだ。
確かに本作では若さの勢いと、お笑い芸人らしい軽いユーモアのセンスが光っている。
しかし何だかちょっと不思議な感じもある。
まず、主たる登場人物全員が一人称で語る手法となっており、展開のスピード感や臨場感に欠ける。犯罪ミステリーとしては手に汗握るアクションシーンや迫力もなく、ややコミカルに淡々と進むばかりである。
伏線をばらまきながらストーリーは進み、後々それぞれを回収し結びつけ謎解きをして行くのだが、トリックとしてはご都合主義的なものもあり、読みながら自分で推理して行くにはちょっと雑だ。
しかし、この話は読みながら(あれれれ?!)とよく思う。
え?嘘?!そっちに行くの?と不思議な感じで、先を読みたくて読みたくて堪らなくなったりするのだ。
そしてエンディングの辺りで、うへ!そう来るの?!となるのである(@_@)
このような話にはそうは出会うことが出来ない。展開力に欠けると思わせておいて、実はまさかのダイナミックな展開力なのであった。
終盤では私と同じように、うーむ、そう来るか・・・やられた・・・(=_=)と唸り天を仰いだ人がたくさんいるだろう。
通勤には最適で、軽く読めてとても楽しめる作品である。
是非お試しを\(^o^)
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確かに本作では若さの勢いと、お笑い芸人らしい軽いユーモアのセンスが光っている。
しかし何だかちょっと不思議な感じもある。
まず、主たる登場人物全員が一人称で語る手法となっており、展開のスピード感や臨場感に欠ける。犯罪ミステリーとしては手に汗握るアクションシーンや迫力もなく、ややコミカルに淡々と進むばかりである。
伏線をばらまきながらストーリーは進み、後々それぞれを回収し結びつけ謎解きをして行くのだが、トリックとしてはご都合主義的なものもあり、読みながら自分で推理して行くにはちょっと雑だ。
しかし、この話は読みながら(あれれれ?!)とよく思う。
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通勤には最適で、軽く読めてとても楽しめる作品である。
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藤崎 翔
KADOKAWA/角川書店 (2016-08-25)
売り上げランキング: 34,958
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