春木屋荻窪本店:超ラーメンレビュー!東京ラーメンはやっぱり春木屋!/サラリーマンラーメンガイド



~40年来の私の夢を叶えた春木屋のちゃーしゅー麺!~

 私には成し遂げなくてはならない40年来の夢があった。それは手の届く、いつでも出来ることではあったのだが、なかなか機会に恵まれずずっと長い間先延ばしにしてきていたのだ。

 その夢とは、私が学生時代に思い描いていたことであった。

「いつか春木屋でちゃーしゅー麺を食えるような立派な男になりたい!」

 そんなのはいつでも出来るだろ( `ー´)ノ、学生時代でも食えたんじゃないか?とか言われる方もいるかもだがとんでもない話である。

 今でも春木屋はラーメン850円に対し、ちゃーしゅー麵は何と1,350なのである。バランス的にちゃーしゅー麺は超高いのだ。多分当時も同じような金額のバランスだったのではあるまいか。相当勇気がないと手が出ないのだ。
 ならば当時私がこのような思い込みを抱いたのもご理解いただけるのではないかと思う(-_-)



 私は学生時代、荻窪と阿佐ヶ谷の中間くらいのアパートに住んでいた。バス便は荻窪しかなかったので、荻窪駅はよく利用していた。駅前のパチンコ屋に通っていた時期もあり、遊び場でもあったのだ。
 春木屋にも時折行っていたが、金がある時でも勇気がなく、ちゃーしゅー麺には手が出なかったのである。
 1973年から1977年の頃の話だ。

 当時のラーメンの値段を調べると250円くらいだったらしい。
 私の仕送りが3万円、家賃が1万円の時代だ。
 当時の春木屋の値段は今となってはわからないが、多分ラーメン300円、ちゃーしゅー麺500円くらいだったのではなかろうか。
 家賃1万円の時代に500円はちょっとやっぱり勇気が必要だったのだろう(-_-;)

 そこで今回は勇気を持ってその夢を果たすべく、私は中央線に乗り荻窪駅に向かったのだった。
 春木屋は1949年創業である。私が生まれる前から現在に至るまで、変わらぬ人気を維持し地域に愛され、また遠方からのファンも多い、正に東京を代表する名店である。

 荻窪駅はアトレなどが出来変わっていたが、春木屋の一角は変わらず商店街がそのまま残っている。しかし店はさすがにほとんど入れ替わっているなぁ。残っているのは丸信と春木屋くらいのものか(-_-;)



 平日の13時過ぎ。行列もなく入店する。店はほぼ満員である。
 券売機は無く口頭で注文するのも最近では珍しい。

 席に座るや否や、勢い込んで「チャーシューメンください!」と言ってしまう。気合が入り過ぎて気が急いているのだ(-_-;)

「あい~!」お店の人の職人然とした佇まいが好ましい。
 無駄口は決して叩かず、そして仕事の作法に余裕がある。平ざるで麺を掬う所作も美しいのである。
 7分ほどで着丼。
 おー、これだこれだ、このヴィジュアル!
 油が表面を覆い、魚介の香りがぷーんと立つ。
 スープを口に含むとシンプルだが鶏と魚介の芳醇な旨みが押し寄せる。
 ラーメンはこれで何が悪いんだい?!と言っているかのようだ。
 重層的な旨み?え?!それの何がいいんだい( `ー´)ノなどと無言で主張しているような気がするほど、歴史と伝統とプライド溢れる東京ラーメン王道の味である。

 自家製のちぢれ麺はかん水少なく、もちもち感が素敵である。
 噛み応えが本当に良い。スープにも絡んでいる。
 メンマも味が染み丁寧な仕事が窺える。



 そして出色はこのチャーシュー。
 実は私はほろほろ柔らか系のチャーシューはやや苦手である。
 モモ肉のちょっと歯応えがあるヤツがタイプなのだ。
 ここのチャーシューは正にど真ん中!!一番好きな味なのであった。
 ちゃーしゅー麺にはさあ、このステキなチャーシューが5枚も入ってるんだよ。


 スープを飲んでいたら止まらなくなり・・・

 遂に・・・(^^;)
 あー、満足満足。
 チャーシュー最高だったな。
 でもなぁ、と思う。
 私が春木屋のチャーシュー最高と思うのは、この店が私のラーメンの原点だったせいなのかもな。

40年前の思い出が蘇る。目頭が熱くなる。

春木屋よ永遠に!
「俺はちゃーしゅー麺が食えるような立派な男になったぜぃ!」と私は40年前の自分に告げたのだ。
1,350円は安いです!マジです!!





住所:杉並区上荻1-4-6
経路:JR・東京メトロ丸の内線荻窪駅北口徒歩2分
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜日
席数:18席

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