2016年9月12日月曜日

単身赴任/動乱のエピソード編その11


単身赴任
~単身赴任の達人に学べ!~

 転勤族という言葉があるが、私も正に転勤族であった。単身赴任も10年ほど経験している。しかし10年などというのは駆け出しの部類で、単身赴任の達人とも言える人は数多く存在している。

連続15年のDさんは大関クラスであろう。大阪で一緒だった先輩だが、生活習慣が変わっている人だった。2LDKの広いマンションに住んでおり、夏はエアコンの風を循環させる為に扇風機を3台購入しそれぞれの部屋に置いて、戸は全部外して片付け、「首振り強」の設定で常に付けっぱなしにしていたそうである。するとどの部屋にいても高原のように爽やかな風を受けられるのだそうだ。素晴らしい発見のように得意満面で説明されていたし、確かにそれは一人暮らしであるからこそ出来る技であろう。と言うか、家族がいたらこんな不経済で馬鹿げたことは許されるはずがないのである。そもそも普通の一人暮らしは、リビングメインでひっそり暮らしているものなのだ(=_=)

また、Dさんは食生活も変わっていた。朝は納豆一筋だそうなのだが、ご飯は食べない。納豆オンリー派である。食卓が汚れるのがイヤなのでキッチンで立ったまま食べるのだそうだ。どうだ、合理的だろ!と威張るのだが、扇風機が3台廻っている部屋のキッチンで、立ったままパックの納豆をそのまま食べているDさんを想像したら、ツボに嵌ってしまい大爆笑して止まらなくなった。するとDさんは本気で怒り出した。自分がこんなに素晴らしいことを教えてやってるのに笑うとは何事か!という趣旨である。 しかし可笑しいものは可笑しい。ぷんぷん怒っているDさんを尻目に、私はしばらく笑いの発作から逃れられなかったのである(^o^)

 しかし、Dさんに教えていただいてホントに良かったことが一つだけある。Dさんの日課はキッチンで納豆を食べる前に風呂で新聞を読むことであった。最初にそれを聞いた時ちょっと驚き、「えぇぇ?!濡れないように読むには腕が疲れるでしょ!」と思わず言ってしまった。これはDさんの待っていた質問であった。ニヤっと笑うとしてやったりの顔で、「バカだなぁ、福田君。風呂の蓋の上で読むんだよ」。な、なるほど!( ゚Д゚)これにはすっかりやられた。私も当時休みの日に半身浴をして雑誌や本を読んでいたのだが、蓋の上でという発想が無かった。そもそも家の風呂に蓋が無かったのである。腕は疲れるし本は濡れるし、でちょうど困っていたところだったのだ(^^;)
 そこで早速蓋を買い求めその上で新聞、雑誌、小説などを読み始めた。快適である\(^o^)/。素晴らしいのだ。
休日の朝ににジョギングなどをして帰って来て、風呂で30分~40分くらい読書するのはとてもゆったりとした良い時間であった。
このように単身赴任の達人たちは玉石混合の様々なノウハウを編み出して、家族と一緒に住む自宅では発想できない自由な暮らしを送るのである。

単身赴任の横綱と言えば先輩のNさんだろう。Nさんは40年の会社生活で連続30年以上単身赴任であった。結婚して2年ほどで、事情により奥様が郷里に戻ってしまい、以来海外と東京でずーっと単身赴任だった。なかなか連続でこんな人はいない。そしてNさんは自炊は一切しなかったそうだ。すべて外食。よくもまぁ健康で乗り切られたもんだ感心するばかりだ。
本日の漫画の全日本単身赴任連合会みたいな組織があるなら間違いなく表彰ものである(^^;)

大変だったのはやはり先輩のSさんであった。12年の単身赴任を終えて家族が住む東京に人事異動が発令された。おー、ようやく解消だ、と喜んで奥様に電話し、異動が出たよ、と言ったところ、今度はどこ?と明るい声だった奥さんが、東京と聞いた途端、え?!と絶望的な声を発したまま絶句したのだそうである(=_=)確かに長期単身赴任者は自宅に居場所がないのだ。たまに帰るくらいは良いが、常時暮らすとなると荷物も入らなければ、部屋も子供に取られてしまっており、すっかりやっかい者と化していたのだった(:_;)
結局Sさんは自宅の近くにアパートを借りて徐々に慣らし、だんだんに荷物を減らし、1年間をかけて自宅に戻ることに成功したのである。

単身赴任は悲喜こもごも。勿論良いところも悪いところもあるのだが、どちらかと言えば良いはずはない。家族の環境を守るために一人で働き続ける日本のおやじは、海外の人から見ると相当奇異に映るらしい。クレージーなのだそうだ。だが勤勉で真面目な、何とも日本人らしい姿なのではないか、とも思えてしまうのである。




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