2016年11月9日水曜日

寅さん的に生きることを実際に検証してみると(◎_◎;)「男のロマン」/咆哮のオピニオン編その12



<作画:みやかね・にわとり>


 男の永遠の憧れとは何だろう。
 一つはやはり風来坊ではなかろうか。町から町へとさすらい、港々で恋をする。行かないで!と泣いて縋る女に、「俺は明日を探して生きていく男なのさ」などと呟いて夜汽車に乗り込んで行く・・・。
 うーむ。渋い。これこそ男のロマンだな(^-^)
 これって結局寅さんかな。いや、どちらかと言えば小林旭の渡り鳥シリーズか。どちらも憧れることは憧れる。

 さて、この男のロマンを本当に実現するとすればまず問題となるのは職業であろう。仕事が無ければまず生活ができない。ものすごく貯金があれば別だが、現実問題はそうもいかない。
 寅さんは的屋である。全国の縁日やお祭りなどを巡り歩いて仕事をしているのだ。全国を流れ歩くという設定からすれば大変理に適ってはいる。
 全国の町から町へさすらって、しかも収入を得ているのである。

 だがしかし、本当はさすらってなどいないのではないか(-_-;)、という疑問も生じる。
 行きたい町で毎日祭りや縁日があるわけではない。祭りや縁日の開催場所に縛られ、結構ギチギチに決められたスケジュールで移動している可能性も高い。実は自由度がないのではないか。それに相当経費がかかりそうである。
 交通費は相当高額であろうし、宿泊費もばかにならないはずだ。食費だってかかる。

 寅さんは茶色の大きなトランクを持参しているが、着替えなどはある程度入っているのだろうか。勿論基本いつも同じ服装ではあるが、一着という訳にはいくまい。ズボンにしても最低2本は要るだろうし、下着も数着は必要だ。トランクは常にパンパンのはずである。
 更に大きな問題は毎日仕事があるわけではないということだ。一日20万も30万も稼げればいいのだろうが、業務内容からしてなかなかそうも行かないだろう。それに例えば私がこれから的屋を営もうとしてもそもそも難しい。急に祭りに出向いて店を広げたりすれば、「なんだお前はぁ!こらぁ!」と本職の皆さんに怒鳴られることは想像に難くない。

 そうは言っても渡り鳥シリーズの方が更にハードルが高いのである。渡り鳥シリーズの事は本当はよく知らないのだが、ネットなどで調べてみるとどうやら渡世人的な職業であるようだ。
 フラッと町に現れて、浅丘ルリ子を苛める理不尽な悪い組織を倒して何処ともなく去って行く、というようなストーリーらしい。
 それはちょっと私には無理だ(-_-)
 そもそも今更これから渡世人的な職業に就く訳にはいかないし、収入を得る仕組みもよく分からない。

 さて、次の男のロマンの選択肢は007のようなスパイである。
 メリットは収入が高く安定していることだろう。
 世界各国に行って贅沢な食事と酒を堪能できる。更に行く先々で美女と恋に落ちるのである。
 寅さんも渡り鳥も恋には落ちるが、プラトニックで中途半端な恋である。007の恋は情熱的で必ず濡れ場もあるのだ。男は濡れ場に弱いものである。スパイにぐぐっと傾斜する自分を抑えられない。

 しかし、デメリットは命懸けなこと(-_-;)だ。
 ビルからビルに飛び移ったり、水中で10分も息を止めたまま泳いだり、山の上からハングライダーで飛んだりしなくてはならないのだ。これは60歳を超えた私にはなかなか厳しい(-_-)

 最後の選択肢は探偵である。
 探偵は全国をさすらう訳ではないが、かっこいいセリフを吐いたりできる。
 有名なのはフィリップ・マーロウだ。レイモンド・チャンドラー作のハードボイルドな探偵である。

「男は強くなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない」とか何とか言って、強くて女にモテる良い男なのだ。

 しかし実際の探偵は事件を解決する訳ではないようだ。主として浮気調査とか身上調査などをしているらしい。ひたすら張り込みや聞き込みをするのだろうから、かっこいいセリフを吐いている暇などないのである。そんな気力も体力も私にはありはしない。

 男の永遠の憧れの実現はかくも難しい(-_-;)

 例えば現実問題として全国を稼ぎながら流れ歩くとした場合、結局短期のバイトということにならざるを得ない。港々で短期のバイトをしながら、ネットカフェや温浴施設などに寝泊りし、全国を流れ歩くのだ。

 流れ歩く、という当初の目標は何とかギリギリ達成できるかもしれないが、身体はボロボロである。生活に余裕がないからロマンスも当然生まれない。ただ必死に流れ歩くだけになってしまう。これではまるで逃亡者である
 男の憧れとは程遠い姿になってしまうなぁ・・・(=_=)

 嗚呼・・・。私は青空に浮かぶ白い雲を眺めため息を吐く。やっぱり無理なのか・・・。
 論理的に整理してみて無理なことはわかった。わかったのだけれども、それでも完全に諦めることもできない。この割り切れない気持ちは一体なんだろう。

 そうか・・・。そうだよな。
 諦めきれないからこそ男のロマンは永遠なのだろうな・・・。



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