2016年12月16日金曜日

「契約」を取りたきゃ商品を売り込むな!悩める営業マン必読!4コマ漫画付き/破竹のビジネススキル編その11

<作画:みやかね・にわとり>

~契約を取りたければ商品を売り込むな!~

 営業マンは契約を取るのが仕事である。私の営業マンとしての仕事は代理店制度を取っていたが、それでも同行訪問などで契約交渉の場面に立ち会うことも多かった。大きな商談は緊張する。何とかまとめなくては、とプレッシャーがかかり必死の思いで説明したこともあった。
 若い頃は商談技術などを教わる機会もなく、ただただ先輩、上司のやり方を見様見真似で売り込んでいた。どちらかと言えばパンフレット販売的な手法である。商品の優位性や利便性を強く訴求するだけであった。

 私が子供の頃「押し売り」という仕事があった。実際に我が家に来たこともある。だいたい着崩れた上着などを着ており、目つきも悪く、いかにも堅気ではない雰囲気の男だ。売るのはゴム紐とか歯ブラシとか。玄関先に座り込み、「昨日刑務所から出て来たんだけど、これから真っ当になろうと思ってさ。俺の気持ちに免じて買ってくれよぉ」とか何とか威嚇するのだ。勿論不当に高いのである。断ると「買ってくれるまで帰んないからよ!」などと悪い態度を更に悪くして、乱暴に足なんか組んでみたりするのである(=_=)
 電話もない頃の話だ。警察を呼ぶことも出来ないのだ。
 子供を見つけると、「おー、かわいいお嬢ちゃんだねぇ。ケガしないように気をつけな」とか言い出し、お母さんは仕方なく買ってしまったりしたのである。今なら子供が隠れて動画を撮影し、ツイッターやフェイスブックやユーチューブに上げられたりして一巻の終わりであろう( `ー´)ノ
 しかし、日本の商談というのはこんな程度のところからスタートしているのだ。それが証拠に、押し売りなんて商売がとうの昔に消え去った今でも、「押し売りは止めてコンサルティング営業」みたいなことが研修会などで言われたりしているのである。

 今は押し売りとは真逆だ。商品は売り込まないのが主流なのだ。
「商品を売るのではなく、いかに欲しいと思わせるか、までで勝負は決まる」「お客様は商品を買うのではない。課題の解決策を買うのだ」など、昔の押し売りのおっちゃんが聞いたら頭がグルングルン回って目まいがしてしまいそうな販売理論がしっかりと確立されているのである。
 そして私も確かにその通りだと思う。人は必要がなければどんなに安いものでも買わない。焼肉食べ放題に行って腹がパンパンで、うー、もーだめだぁー、と思っている人に「今ならたこ焼き半額!」と声を大にして言ったところで買うわけがない。しかし、そんな人に「すぐにすっきりする胃薬半額!」と声をかければ、おー、そいつはありがたい!と購入してもらえるのである。

 その意味では営業マンの為すべきは、お客様の現況や今後の課題やお困りのことなどを引き出すことであろう。そしてそのような活動をベースに自分が売りたい商品が解決策となるような道筋を見つけて行くことが肝心である。
 何だかまだるっこしいなぁ、と思われる方もいるかも知れない。しかし結局は急がば回れなのだ。

 人は他人に言われたことや指摘されたことには反発したり反論したくなったりするものだ。ところが、自分が言ったことへの答えやアドバイスとしてもらうと、同じことでも耳を傾けるのである。
 契約のアプローチをして一旦断られると挽回するのは難しい。ならば、少し手間はかかるがお客様を徹底的に知ることからスタートさせるべきではなかろうか。

 そして最後に契約を決めるのは結局「感情」である。いくら理屈で相手を追い詰めても、「何となくイヤだからやっぱりやーめた」とか、「なんだか気が進まない」とか、「どうもイヤな予感がする」などと曖昧な理由で断られるのがオチなのである(/ω\)
 つまり、面談を重ねれば重ねるほど成約率は高まるのだ。だから優秀な営業マンは、何回目の商談で契約に持ち込むかを決めておいて、わざとその決めた日以外はスルーしたりしているのである。

「買ってくれるまで帰らない」と言っていたあの時の押し売りのおじさんに聞かせてやりたい話だが、多分もう死んでるんだろうなぁ。あれはもう60年近く前だもんな。。。


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