2017年2月3日金曜日

「骨折」何故病気は心配され骨折はバカにされるのか?!/錯乱のエピソード編その9

<作画:みやかね にわとり>

~病気は心配されるのに、何故骨折はバカにされるのか?!

 入院したことはほとんどない。腎臓結石で1回。心臓の検査で1回。いずれも数日である。そのくらいかなぁ。
 ならばものすごく健康か、と言われるとまぁそこそこ持病もある。
 かつてはヘルニアに悩まされ、2年くらい日常生活に支障があった時期もある。逆流性食道炎はもう7年も薬を飲み続けているし、たまに不整脈も出る。胆石はずーっと人間ドックで指摘され続けている(=_=)

 怪我はどうかと言うと、これはほとんどない。子供の頃から社会人前半くらいまではテニスを続けて来たし、一時マラソンもしていた。しかしスポーツでの怪我は一度もない。
 私は筋肉質ではない。筋肉が柔らかいのだ。だから足も滅多につらないし、捻挫なども数えるほどである。この筋肉の柔らかさが怪我が少ない要因だったのかも知れない。

 危なかったことは何度もある。小学生の時に、友達とふざけて取っ組み合いをしていて、頭からガラス戸に突っ込んでガラスが粉々になったことがあったし、中学生の時に自転車で走っていて後ろからトラックに引っ掛けられ吹っ飛んだこともある。しかしいずれも擦り傷程度であった。
 あー、俺って怪我しない人間なのね、と思っていた50代半ばくらいに、一発やっちまった。鎖骨の骨折である。

 休日の朝に自転車で近くの公園に行った。エントランスは広い石畳で雨上がりだった。やや登り坂だったので立ち漕ぎで勢いをつけて走って行ったら、後輪がズルっと滑った。
 あああ、やばい( ゚Д゚)と思った途端に左にそのまま倒れ込んで転倒した。左肩から落ち、頭をゴンと強打した。起き上がると痛みはそれほどなかったが、一瞬何が起きたのか記憶が飛んでいた。俺何してんのかな?と石畳に座り込み首を捻った。
 ほどなく記憶も回復し家に戻った。すると左肩がどんどん腫れて来るではないか。肩の骨の辺りが拳大に腫れ上がり、ただ事でないと救急医に駆け込んだ。
 レントゲンを撮ったら医師が「あー、鎖骨折れてますねぇ」とのんびりした感じでコメントした。そっちからすれば毎日目にする当たり前のことなのかも知れないが、こっちは50年以上無傷だったのだから驚愕である。 
 折れてる( ゚Д゚)?!マジですか?!
 私は当時本社の部長で、翌日全国オルグが控えていた。7人位のメンバーで全国9本部を廻り新年度施策を論議する重要な役目があったのである。
 そこで医者に「ちょっと明日大事な泊りの出張があるんですがどうですかね」と訊いてみた。
 医者は、けっ!( `ー´)ノと鼻で笑い、「骨が折れても出張ねぇ・・・」とちょっとバカにしたみたいに言った。
 しかし腹が立つ前に私は焦っていた。すっぽかす訳には行かない用事だったのである。
「じゃあ、バンドで固定しますかね」と医者が言った。矯正下着的な固定器具をもらい、翌日それを装着して待ち合わせしていた東京駅のホームに赴いた。

 骨折したのは私のミスである。しかし私は最善を尽くし、必死の思いで出張に穴を空けなかったのである。日本のサラリーマンの鑑と言える立派な行動だ。
「おー、さすが福田だ!骨折しても仕事に穴を空けないとは!」とすごく褒められるかと思っていたら、腕を三角布で吊って現れた私を見て、何とホームにいた6人全員がゲラゲラ笑ったのである。
 当時の上司は指を指して爆笑する始末である(-"-)
 どうやら、病気は心配されるが、骨折は笑われるものだ、ということがその時初めて分かったのであった。

 結局全快までには5か月程を要した。オヤジの骨は付きにくいのであろう。
 時々病院にリハビリにも行きながら、定期的にレントゲンを撮ってもらっていたのだが、最後に検診に行った際、医師は「あー、これで全快ですね。もう大丈夫です」と言った後に、「あれ?!」と言ってレントゲン写真をしげしげと見るのであった。
 イヤな予感がした。しばしの沈黙の後、医師が驚くべきことを言い出した。
「あー、前後にズレてますね。気が付かなかったなぁ。正面から見ると良い感じなんですけどね。しまったなぁ・・・」
「えぇ?!どうすりゃいいんですか?」
 今更何を言ってるのかと不安に慄く私に、医師は薄笑いでこう言った。
「まぁ、この程度なら何とかなるでしょ」
 いい加減な態度に強い憤りを覚えた私であったが、結局は医師の言う通り今のところ何とかなってはいるようである。


 しかし前後にズレた私の肩の骨は、今後の人生に本当に悪影響を与えることはないのだろうか。
 まぁ考えてどうなるものでもないな。
 煮干しでも食うか・・・(-_-;)

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