~リアリティと疾走感!ラストのドキドキ感に手に汗握る!~
全部またはほとんど全部読んでいる作家さんは結構いる。
伊坂幸太郎、荻原浩、樋口有介、黒川博行、佐々木讓、東野圭吾、真保裕一、東直己、愛川晶、長岡弘樹などなどなど・・・。
それぞれの作家さんに共通しているのは、「当たり外れが少ない」ということである。誰とは言わないが、結構ハズレが多い人もいる。多作の人はどうしても作品のレベルに大きく差が出てしまう。
え?!ホントにこの人が書いたの?!(*_*;ちょっとヒドイね、これ、などと思うこともしばしばあるのだ。
非常に有名なミステリー作家Xさんは、「時々奥さんが書いてる説」まで流れたりしたことがあるのだ(-_-;)楽しみにして買った新刊でフラれたりするとホントに悲しいのである(-_-)
え?!ホントにこの人が書いたの?!(*_*;ちょっとヒドイね、これ、などと思うこともしばしばあるのだ。
非常に有名なミステリー作家Xさんは、「時々奥さんが書いてる説」まで流れたりしたことがあるのだ(-_-;)楽しみにして買った新刊でフラれたりするとホントに悲しいのである(-_-)
本作の作者奥田英朗さんも、私が全作読破しているお気に入りの作家さんである(^O^)
当たり外れはまずない、志とクオリティの高い立派な作家さんだ。
当たり外れはまずない、志とクオリティの高い立派な作家さんだ。
ちょっとコミカルでブラックな「精神科医伊良部シリーズ」も面白いし、「マドンナ」「ガール」などのOLシリーズも秀逸である。
しかし何と言ってもクライムノベル的な作品である「最悪」「邪魔」「無理」、そして「オリンピックの身代金」のような重厚な作品にこそ作家の実力が発揮されているのだと感じる。様々な作品があるが、どれも完成度が高く、味と風格があり楽しめる。
「邪魔」で大藪春彦賞、「空中ブランコ」で直木賞、「家日和」で柴田錬三郎賞、「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞している正に大御所である。
さて「ナオミとカナコ」であるが、本作は今までの奥田作品の様々なエッセンスを詰め込んだ力作である。
最近ドラマになっていたようだが、私はそれほどテレビを観ていないので知らなかった。広末涼子と内田有紀が共演していたようだな。
文庫化されたのか、先日本屋さんで大々的に平積みで売っていたので購入してみた。
あらすじはこんな感じ。
望まない職場で憂鬱な日々を送る直美と、夫の激しいDVに苦しむ加奈子は学生時代からの親友だった。三十を前にし見通せない未来に失望した二人は、奈加子の夫達郎を殺害することを決意する。そして動き始める物語・・・。
まず、テンポが良い。奥田作品のクライムノベルに共通するのは疾走感である。しかも普通の人が犯罪に巻き込まれ、どんどん話が転がっていくケースが多い。
感情移入し、身につまされるのである。自分が主人公になったような気持ちで手に汗握ってしまう。
本作でもまったく犯罪になんて縁のない、真面目な若い二人の女性が、ちょっとした歯車の狂いから殺人を犯す姿をリアリティを持って描いているのである。もしかしたらこんな状況になれば自分だって・・・(-_-;)と思ってしまうのだ。
作品の中で主人公は変わって行く。ただの普通の立派なワーキングガールだった彼女が、どんどん行動的になり、肝が据わり、犯罪へ転がるように突き進んで行くのである。しかしその変節は自然の成り行きのように思える。それしか方法が無かったように感じてしまうのである。
結構厳しい情景が、敢えて淡々と描かれている部分も多い。この辺りが奥田マジックだと感じる。心象風景や葛藤よりスピード感を選択することで、物語全体に色を付けているのだ。
作品の中で主人公は変わって行く。ただの普通の立派なワーキングガールだった彼女が、どんどん行動的になり、肝が据わり、犯罪へ転がるように突き進んで行くのである。しかしその変節は自然の成り行きのように思える。それしか方法が無かったように感じてしまうのである。
結構厳しい情景が、敢えて淡々と描かれている部分も多い。この辺りが奥田マジックだと感じる。心象風景や葛藤よりスピード感を選択することで、物語全体に色を付けているのだ。
そしてラストに向かうスピード感は風を切るようだ。
誰もが、うー、どうなるのどうなるの?何とかしてよ、もう・・・などと口走ってしまうくらいのハラハラドキドキ感があるのだ。
テレビドラマのあらすじをネットで見たら、原作とはやや違う部分もあったが、多分小説の方が面白いのでは?と思っているところである。
私は過去に10回以上、小説を読んでいて熱中してしまい電車の駅を乗り越したことがある。最高3駅も過ぎた((+_+))
本作のラストはそれを思い出すくらいの感情移入度である。
乗り越し注意で是非お読みいただきたい(^^)/
私は過去に10回以上、小説を読んでいて熱中してしまい電車の駅を乗り越したことがある。最高3駅も過ぎた((+_+))
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奥田 英朗
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