ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海:ネタバレなしのレビュー!/サラリーマンブックガイド



~若手ビジネスマンの勇気になる本~


 TSUTAYAの上半期ランキングの6位になっていたので買ってみました。





 背表紙に書いてあるあらすじは以下。

 ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。何故赤の他人をここまで?気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で自殺した男のニュースだったー。スカっとできて最後は泣ける、第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作。サブタイトルは「この優しい物語をすべての働く人たちに」。

 何か一般小説的な感じの話だけど、電撃小説大賞関連受賞作なのね。電撃小説大賞って、てっきりラノベみたいな作品ばっかかと思ってた(*_*)認識不足でしたね・・・。

 何だかどんどん読めるなぁ・・・。
 隆が仕事で追い詰められてく姿は昔のこと思い出して結構胸が詰まります(+_+)
 上司の部長ってのがひどい野郎で、読んでると段々腹が立って来る。また先輩の五十嵐ってのも何だかひどいね。
 身につまされますね。昔の自分のことを思い出す。苦しかった頃のことをね。

 私も若い頃は、毎晩11時、12時まで仕事してた時期が結構長かったもんね。あの頃は苦しかったなぁ。主人公も営業マンだから、何となく感情移入してしまいますね。
 結局仕事は人間関係なんだよね。仕事自体じゃなくて、助けてくれる人や心配してくれる人がいれば乗り切れるものなんだよね。そんな突っ込みを頭の中で入れながら読み進む。

 この「ヤマモト」って謎だよね。一体誰なんだろう・・・。
 この「ヤマモト謎」で引っ張る話ですね(@_@)
 ???を抱えながら読んで行くと、最後にすべての謎が解けて・・・。

 でも、この部長はちょっと悪役過ぎるし、五十嵐先輩の行為も乱暴すぎてリアリティは薄い(^_^;)
 エピソードも雑だしトリックもちょっと強引。粗削りと言うかディテールが弱いなぁ。
 それでもこの物語がガツンと胸を打つのは一体何故だろう・・・。

 やっぱり作者の温かい視線かしら。作者が、隆=苦しんでるビジネスマンに対して、「大丈夫だよ、会社なんて人生のすべてなんかじゃ全然ないんだよ。ご両親とかみんな心配してくれてるんだよ。立ち止まって思い出してみて!」と語り掛けているところなんじゃないかな。
 いっぱいいっぱいになると、誰だって隆みたいな気持ちになることあるもんね。会社を辞めるより死ぬ方が簡単、なんて思いがちだよね、ホントに。
 でも、そうじゃないよね。生きるってそんなんじゃないよね。人生ってもっと選択肢たくさんあるよね。気持ちさえ負けなければ何度でもやり直せるんだよ。だからもう一度考え直してみようよ、って読みながら私もついつい思ってしまいました。
作者の狙い通りかしらね(^_^;)
それでも全然いいですよ。
だって、サラリーマン総研も同じビジョンですから(^^)/


 読後感も爽やか。頑張っているサラリーマンの皆さんにおススメの作品ですね(^-^)



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