正式名称は「このミステリーがすごい!」というミステリーガイドブックだ。
ミステリーマニアには知れ渡った年間ミステリーランキング本で、毎年12月頃に発売される。
1988年に始まったと言うから、もう20年近くになるんだね。私も毎年楽しみに購入している(^-^)
ちなみに1988年の国内版1位は「伝説なき地」(船戸与一)、翌年は「私が殺した少女」(原尞)、その翌年は新宿鮫(大沢在昌)と、懐かしくもステキな作品が入っていて、何だかその時代の思い出と一緒になり、ちょっと切なくなったりもするのである(:_;)
ベスト10の作品は8割くらいは読んでいるし、11位~20位のあたりも読んでるから、全部で200冊~250冊くらいお世話になってる感じだ。
ベスト10の作品は8割くらいは読んでいるし、11位~20位のあたりも読んでるから、全部で200冊~250冊くらいお世話になってる感じだ。
多数の評論家やミステリーマニアが投票しているランキングなので、他のランキングと比し偏りが少ない。最も幅広く公平と言えると思う。
このガイドブックの良いところは「本当に面白い本を確実に教えてくれること」である。それが目的で発売されてるのだから当たり前と言えば当たり前だが(^^;)なかなかそうでもないケースもあるので、本書で事前学習して読むことは非常に意義が大きい。
だいたいにおいて、知らない作家さんの本をいきなり買ったりすることはあまりないものだ。素晴らしい作家さんとの新しい出会いのきっかけとしても最適ではなかろうか。
このミスのランキングに入ってる作品は単行本が多いのだが、2位に文庫本が入っていたので興味を覚え購入して来た。
それが本作「静かな炎天」。作者は若竹七海さんである。
このガイドブックの良いところは「本当に面白い本を確実に教えてくれること」である。それが目的で発売されてるのだから当たり前と言えば当たり前だが(^^;)なかなかそうでもないケースもあるので、本書で事前学習して読むことは非常に意義が大きい。
だいたいにおいて、知らない作家さんの本をいきなり買ったりすることはあまりないものだ。素晴らしい作家さんとの新しい出会いのきっかけとしても最適ではなかろうか。
このミスのランキングに入ってる作品は単行本が多いのだが、2位に文庫本が入っていたので興味を覚え購入して来た。
それが本作「静かな炎天」。作者は若竹七海さんである。
アメトークでも紹介されたらしく話題になっているようだ。
過去に数冊は読んでいるのだが、洒落た本格謎解きのイメージが強かったので今までそんなに私の感性にぴったりは来ず、かなり未読作品の多い作家さんであった。
本作は設定がなかなかトリッキーである。
「40肩を患う書店アルバイト兼女探偵」なんて誰が考えるだろう?
しかもこれはシリーズ本だそう。おー、それはステキですな。今後一作目から読めるなんて幸せだ。
キャッチは「有能だが不運過ぎる女探偵葉村晶シリーズ」。なるほど、そういう感じなのね。
ネットでは「後味の悪さがイイ」「読後感のツラさがクセになる」など、シリーズの独自性を評価する声しきりである。
一作目は1996年刊行の「プレゼント」。この頃は主人公は20代半ばのフリーターだったんだって。2000年に出した短編集「依頼人は死んだ」で30前後になり、2001年の長編「悪いうさぎ」で31歳だそう。前作「さよならの手口」で40代になってるんだって。
サザエさん的に歳を取らない主人公もいるが、読者と一緒に高齢化して行く主人公も魅力的だね。自分の思い出と一緒に読んでるような感じになるもんね。
さて本作は何と言っても、ミステリーマニアならニヤっと笑えるような、ミステリーの蘊蓄や、過去の海外、国内の名作のエピソード的なヤツをさらっと持ってきていて、思わずふふふと笑みが零れたりするところが高評価の所以なのだろうか。
まず文章が素晴らしい。シニカルでクールな、私の好きなハードボイルド的トーンで統一されている。それでいてリアリティもある。
ミステリー専門の書店が登場するのだが、これがかつて飯田橋にあった「深夜プラス1」という書店を彷彿とさせるなぁ。
実は30代くらいの頃に結構通ってたんだよね。スマホもない時代は電車では本読むしかなかったし、通勤時間のほとんどは読書だった私の若手サラリーマン時代の思い出の一つはこの深夜プラス1だったんだよな。
当時はネットの前の時代なので、実店舗だけのミステリー専門店なんて無かったから、非常に貴重な店だった。
今はネット通販で何でも買えるけど、その時代は欲しい本を探していくつかの書店を廻ったりしたものだ。
本作の収録作品は、どれも洒落たトリックで彩られており、うーむなるほど、と唸るものばかり。
表題作の「静かな炎天」は、主人公がアルバイト先の書店の近隣住民から、次々と調査の依頼を受ける不思議をネタとして、最後のビシっとキメてくれるのだが、この淡々とした描写が正に「静かな炎天」というタイトルとマッチして、作品の価値を高めているのである。
最後に収録の「聖夜プラス1」は不運を絵に描いたような主人公の一日を、様々なエピソードを重層的に織り込んで展開させており読み応えがある。
これはミステリーマニアからは相当高評価だよな。絶対に他の人では書けない作品と思う。古今東西のミステリーのエッセンスを散らすための設定が無理なく効いていて、やっぱミステリーって良いよね、と思わせてくれる素敵な作品でした。
ミステリーファンには特に本当におススメです
\(^o^)/
表題作の「静かな炎天」は、主人公がアルバイト先の書店の近隣住民から、次々と調査の依頼を受ける不思議をネタとして、最後のビシっとキメてくれるのだが、この淡々とした描写が正に「静かな炎天」というタイトルとマッチして、作品の価値を高めているのである。
最後に収録の「聖夜プラス1」は不運を絵に描いたような主人公の一日を、様々なエピソードを重層的に織り込んで展開させており読み応えがある。
これはミステリーマニアからは相当高評価だよな。絶対に他の人では書けない作品と思う。古今東西のミステリーのエッセンスを散らすための設定が無理なく効いていて、やっぱミステリーって良いよね、と思わせてくれる素敵な作品でした。
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若竹 七海
文藝春秋 (2016-08-04)
売り上げランキング: 16,942
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