サラリーマンの投資ってどうよ?売却益狙いの株取引は何故NG?


<作画:みやかね にわとり>

~サラリーマンの投資ってどうよ!問題について考えてみた!~


 かつてない低金利が続いている。金利が安いと個人や企業が借入れしやすくなるので、経済活性化につながるというのがラフな言い方だろうと思う。
 個人分野でも確かに住宅産業はかつてない借入れラッシュで、都内など大都市圏ではアパートなどもものすごい勢いで建築が進んでいる。同じく都内では新築、中古ともマンションの価格が高騰しているそうだ。
 この辺りの現象は投資先が不動産に向かっていた、と解釈しても良いだろう。これだけ金利が安くなると資産家の投資先は相当限定されて来るのである。
 資産運用の基本は、自己の資産を「流動性資金」「安定性資金」「収益性資金」の3つに分け、三分の一ずつ運用することと言う。
 流動性資金は普通預金だ。いつでもすぐ下ろせて不測の事態にも対応できる備えは絶対に必要である。次の安定性資金であるが、これは所謂元本確保型の商品での運用で、定期預金や国債などだ。そして収益性資金が株式や不動産などへ投資してリスクを取って運用する資金を指す。

 低金利下では2番目の「安定性資金」が実質的にほとんど資産を増やすことが出来ない。持って行き先がないのである。定期預金の金利なんて大手都銀もゆうちょ銀行もは0.01%だ(20172月現在)。
 あのね、0.01%っつうのはですね、100万円を1年間預けて100円ということだぞATMで時間外などで一回引き出せば超えてしまうのだ(/ω\)
 1,000万円で1,000円、1億円預けたって1万円しか利息は付かないのである。1億円でも1万かいぃぃぃ!
なんてこったい!!なのである。

 だから現在は資産運用の基本である三分割理論が崩れている時代と言えるのだと思う。ならばどうすればいいのか。
 やはり株式投資しか無いのか(=_=)

「株はバクチ」という言葉がある。元本が大きく増えたり減ったりするからだろうが、そういう意味では保険だってバクチだ。加入していて事故に遭えば保険金が出るのだからね。
 保険の世界でも一番得なのは、加入しないで事故に遭わないことである。生命保険でも加入しないで元気で病気もせず長生きするのが最も得である。
 しかし明日のことは誰も分からない。だから保険でヘッジするのは正しいことなのだと思う。

 株なんて買っても買わなくてもどちらが正しいということはない。どうでもいいのである。増えるかも知れないし減るかも知れない。数十倍にあることもあれば、紙くずと化すリスクも常に秘めているのだ。
 だがしかし、この環境下でもし資産を増やそうとするなら、株を買うしかないのも真実である。

 株には二つの側面がある。売却益と配当だ。
 これから書くことは全くの主観なので、違う意見の人もいると思う。私個人の経験と見識を元に述べるだけのいーかげんな話として読んでいただきたい。

 まず、サラリーマンは短期の売却益を目的とする株式購入は止めるべきだ!
 現在はスマホの普及などもあり、リアルタイムで株価が分かるし売買だって出来る。つまり仕事中にもこっそり取引をやろうと思えば出来るのである。
 売買目的で株取引をしている人はどうしても株価や市場の動き、経済ニュースなどが気になるものである。昨年も欧州の問題やアメリカ大統領選挙などで株価が乱高下した。
 よっぽど肝の据わった人なら知らないが、たいていの人は保有株の値動きが気になって仕方ないものである。
 保有企業のバッドニュースや決算発表などがあれば気が気ではない。もう居ても立っても居られないのだ。あー、何とか上がりますように、とか、お願いだから下がらないで、とか祈るような気持ちになるものだ。何かあって大きく下がった日には、もう夜もろくろく眠れないのである。
 だから、そんなことを気にしてたら仕事に集中できるはずがないでしょ!!だからやっちゃダメなのよ!
 株取引の本などを読むと、「指値と逆指値」を使えばサラリーマンも簡単に株取引が出来る、なんて書いてあるがそれは必ずしも正しくはない。
 利益確定と損切りラインの双方にあらかじめ指値を入れておけば、上がった時も下がった時も自動的に売買される、という理屈は正しい。しかし、取引時間が終わり翌日の寄り付きで指値や逆指値を超えてその上下から始まればどうにもならないのである。
 少し専門的な話になってしまったが、ともかく短期の売却益を得る「スイングトレード」的な売買はサラリーマンには無理なのだと思う。サラリーマンにバクチは所詮できないのである。

 ならばどうすればいいのか。

 配当目的の保有ならばやるべきだろう。この低金利下においても、2~3%の配当などはざらである。100万円の投資で2万~3万円(税金別)の運用益を出せるのだから当然保有すべきなのでろうと思う。
 しかし、業績が悪ければ配当が下がったり無配になることだってあり得るし、更に倒産して紙屑になるリスクもあるのだ。
 だから分散投資で一定の数に分け、業種も分けて安定的に保有するのが正しいと言われているのである。

 ジャスダックやマザーズの銘柄を買うのはやや宝くじにも似た感覚かも知れない。株価が数十倍になった企業も珍しくはないだ。
 ただ、この場合の基本はともかく長期保有だ。1年や2年の値動きにはびくともしない覚悟で保有するなら、株式投資は夢のある楽しい資産運用と言えるのだと思う。

 結局サラリーマンにとって大事なことは、無理のない範囲で収入の一定の割合を株式などの投資に回し続ける継続性を有すことにある。
 そして株は宝くじよりはずっとずっと堅実である。手数料が違うからだ。
 宝くじの手数料は50%と以上言われている。株はネット証券なら0.5%1%程度なのだから比較にならないほどなのだ。

 種類や目的が違うので比較するには異論があるだろうが、どうせ宝くじも公営ギャンブルも株も不動産も、増えるか減るか誰にもわからないという意味では同じバクチなのだ。ならば確率論的に最も有利な投資を選別すべきだろう。その意味ではやはり配当目的の株式の長期保有は最も現実的な投資と言えるのではないだろうか。